【自動車整備士】ディーラーで働く3つのメリットと4つのデメリットを徹底解説!

「ディーラーの整備士って、待遇良さそうだけど仕事は大変そう…実際どうなの?」

「ディーラー整備士の年収や休日が知りたい!」

「ディーラーと民間整備工場、働くならどっちがいいんだろう…」

整備士としてディーラーへ就職や転職を考えた時、一度は気にしたことがありませんか?

なかにはディーラーと民間整備工場、どちらに就職するか迷われている方もいるかと思います。

男性

ディーラーは整備だけじゃなく、接客もあるって聞くしし大変そうだな…

男性

ディーラーの求人を見るとボーナスもあるし、給料は良さそうだけど、実際どうなんだろう?

こういった声も聞いた方がいるかもしれません。

私も学生時代、色んなディーラーの求人を見たり、会社説明会へ行きました。ただ説明するのは人事部の人なので、現場で働く整備士の人からは直接話を聞けず、具体的なイメージが湧かないまま就職しました。

勢いで就職や転職して失敗もしたくないし、実際ディーラーで働くのはどうなのか?求人情報や会社説明会だけではなく、整備士の生の声も聞きたいですよね?

私は13年以上、現在も整備士として働いてますが、過去に国産ディーラー3社、民間整備工場1社に勤務し自動車業界を経験してきました。

そこで今回、私の過去の経験をもとに、ディーラー整備士のメリットとデメリットを民間整備工場と比較しながら徹底解説します

結論からいうとメリットとデメリットは次の通りです。

メリット
  • 年収が高い(民間整備工場に比べ)
  • 休日が多い(民間整備工場に比べ)
  • そのメーカーのプロになれる
デメリット
  • 忙しく時間に追われる
  • 車検や点検、商品の販売ノルマがある
  • 人事異動がある
  • 整備できる車種が限られる

順に解説します。

記事の最後では転職で注意すべきポイントもあるので、ぜひ最後までご覧ください!

この記事を書いた人
オトコ

オトコ

  • 自動車整備士歴13年
  • 1級小型自動車整備士
  • 自動車検査員
  • 過去に国産ディーラー3社、民間整備工場に1社勤務経験有り
目次

ディーラー整備士とは

ディーラーとは、メーカーと特約店契約を結んだ車の販売店のことです。そのメーカーの専門販売店として、新車の販売や整備をしています。

特約を結んでいるため、新車を販売する時は基本的にそのメーカーの車だけになります。

たとえば、トヨタのディーラーでホンダの新車は販売できません!

もちろん車検や一般整備で入庫する車も、必然的にそのメーカーの車になります。

そのためディーラー整備士は、そのメーカーの車の知識や最新技術についてかなり詳しくなります。

またメーカーのバックアップもあり整備情報や、よくある故障事例を知ることができるので、ディーラーでしか得られない情報や知識も得られます。

いわばそのメーカーのプロです!

ディーラーで働く3つのメリット

ディーラーで働くメリットは次の3つです。

メリット
  • 年収が高い民間整備工場に比べ)
  • 休日が多い(民間整備工場に比べ)
  • そのメーカーのプロになれる

詳しく解説します。

年収が高い(民間整備工場に比べ)

結論からいうと、私の経験上、ディーラーの給料は民間整備工場に比べて圧倒的に高いです。

もちろん、そのディーラーの「会社の規模」や「取扱うメーカー」によっても違いますが、ディーラーによっては民間整備工場より100万円以上年収に差がつくのも稀ではありません。

特に私の勤務経験もあるトヨタ系、ホンダ系の従業員200〜300人を超える大手ディーラーは給与水準は高いです。

実際、過去に私が勤めたディーラーは、役職のない普通の整備士でしたが、年収500万円を超えてました!

民間整備工場の平均年収は385万円なので、それと比べても高いことがわかります。

参照:【2024最新情報】自動車整備士の平均年収と収入を増やす具体的な方法

ディーラーの給料が高い理由は3つあります。

  • ボーナス(賞与)が多い
  • 売上目標を達成するとインセンティブ(報奨金)がもらえる
  • 手当が手厚い

私の過去に勤めたディーラーの実体験を踏まえながら、解説します。

ボーナス(賞与)が多い

ディーラーの年収が高くなる最も大きな要因は賞与です。

いわゆるボーナスですね。

民間整備工場でもボーナスが出る会社はありますが、ディーラーはボーナスの月数が多いです。

たとえば、私が過去に勤めたディーラー3社は最低でも1年で4ヶ月分、多い時で5ヶ月分出るディーラーもありました。

全てのディーラーがそれほどもらえるとは限りませんが、従業員が数百人を超え、複数店舗を持つ大きなディーラーになると、少なくとも夏冬合わせて4ヶ月分以上ボーナスが出るディーラーが多くあります。

さらに、ディーラーによっては一年で最も忙しくなる年度末に期末賞与も支給されます。

これは勤めるディーラーやその年の業績によっても変わりますが、3月末近くになると0.5ヶ月〜3ヶ月分ボーナスが支給されるディーラーもあります。

もちろん業績にもよるので必ず出る保証はないですが、民間整備工場で期末賞与まで出る会社は決して多くありません。

夏と冬のボーナス、それに期末賞与も合わせると年に3回ボーナスが出るので、給料にはかなりのインパクトがあります。

正直なところ、ボーナスがあるからディーラーで働いているといっても過言じゃありません…

売上目標を達成するとインセンティブ(報奨金)がもらえる

ディーラーは車検や点検の台数、販売商品(タイヤやバッテリーなど)のノルマを達成するとインセンティブ(報奨金)がもらえます。

たとえば、車検の目標台数が月100台で、実際の入庫台数も100台を超えると翌月の給料にインセンティブがつく…といった具合です。

昔はいかに残業をして、給料を上げるかが主流でしたが、最近はいかにノルマを達成するかで給料に大きく関わってきます。

私が過去に勤めたディーラーでも実際にノルマはあり、目標達成は大変でしたが、その分インセンティブも多くもらえました。

ノルマの達成度にもよりますが、3万円〜5万円もらえるケースもあり、残業せずに給料をより多く稼げます。

残業しなくてもインセンティブで給料は増えるし、残業するとインセンティブ+残業代でさらに給料は増えるよ

資格などの手当が手厚い

資格や家族手当などの手当が手厚いディーラーもあります。

対象になる人は限られますが、手当だけで月の給料が数万円変わることも珍しくありません。

主な手当としては

  • 自動車整備士の国家資格
  • 自動車検査員
  • メーカー検定(そのメーカー独自で行う検定試験)

などがあります。

これは私の経験上、持っている資格やディーラーによって大きく変わりますが、この手当だけでも月1〜2万円は変わります。

また、これ以外にも住宅手当や、少子化対策に力を入れているディーラーは家族手当なども充実してます。

私が以前勤めたディーラーは、少子化対策で子供一人に月20,000万円支給されてました!

金額的にはボーナスほどインパクトはないですが、月の給料が手当だけで数万円変わることも珍しくありません。

休日が多い(民間整備工場に比べ)

ディーラーの休日は、民間整備工場と比べると比較的多いです。

私の過去の経験や求人情報を見ても、年間で110日前後、休日があるディーラーが多いです。

さらに大きなディーラーになると、120日以上休日があるディーラーもあります。

基本的にディーラーは平日が休みなので、土日に休みを取りづらいのがデメリットですが、お盆やGW、年末の長期連休もあるのでまとまった休みを取りやすいです。

私の経験上、一回の長期連休で6〜8日ほどあるディーラーが多いですが、なかには10連休あるディーラーもあります。

参照:昔じゃ考えられない「長期の夏季休暇」を設定する新車ディーラー! 最大10連休なんて店もあるが裏で苦悩するディーラマンもいる

また最近のディーラーは、昔に比べてかなり有給が取りやすくなってます。

これは働き方改革の影響もあり、会社が従業員に有給を取らせないと罰則を課せられるので、最低でも年に5日以上有給を取得しなくてはなりません。

そのため、通常の休日とは別に、有給もあるので実際の休日数はもっと多くなります。

一方、民間整備工場は私の過去の転職経験や周りの話を聞く限り、有給を取れる会社は現状そう多くありません。

実際の休日数は、民間整備工場に比べディーラーの方がかなり恵まれています。

私が入社した10年以上前は、冠婚葬祭でしか有給は使えなかったけど、今は旅行などプライベートのために有給を使えるディーラーも増えてます!

そのメーカーのプロになれる

ディーラーで整備する車は、9割以上がそのメーカーの車です。

一般のお客さんや業者からの修理依頼もあり入庫台数が多いため、高難易度の修理も数多くあります。

特に最近の車は、メーカー専用の診断機を使用しないと修理できない車が増えており、ディーラーでしか経験できない整備も多くあるため知識や技術力が身につきます。

さらにディーラーはメーカーからのバックアップも手厚く、全国で頻繁に起こる故障の原因や対策、修理方法などディーラーでしか得られない情報をネットで調べられるので、そのメーカーの車に関しては知識がかなり身につきます。

またトヨタ検定などメーカーが定めている検定の取得や、新型の車を勉強するために研修を行うディーラーも多いので、最新の技術や知識を身につけるには最適な環境です。

ディーラーで働く4つのデメリット

ディーラーで働くデメリットは次の4つです。

デメリット
  • 忙しく時間に追われる
  • 車検や点検、商品の販売ノルマがある
  • 人事異動がある
  • 整備できる車種が限られる

これは私の経験上、どのディーラーにも当てはまるデメリットです。

順に解説します。

忙しく時間に追われる

ディーラーの入庫台数はとても多く、1台当たりに作業をかける時間も決まっているため時間に追われます。

重整備や板金などを除いては、点検や一般整備の作業中は、お客様は店内で待たれることが多いので、予定時間内に引渡しできるよう時間を意識しなければなりません。

たとえば「12ヶ月点検は洗車含めて1時間」といった具合です。

作業の効率化のため、時には作業が終わった車を洗車機に入れてる間に、もう1台のオイル交換をする…など一人で複数の車を整備する状況もあります。

さらに店舗によっては整備士がお客さんの受付、整備、点検結果の説明から引渡まで行うこともあります。

車検や点検の車は次々に入庫してくるため、昼休みの休憩もなく整備することもあります…

またメーカーからリコールが発表されると、対象台数にもよりますが忙しくなります。

これは普段の業務に加えてリコール作業やリコールの問い合わせなども対応しなければならないためです。

リコールの規模(対象台数、作業時間)によっては、どうしても残業になってしまうケースもあります。

ただし、忙しいことが一概に悪いとは言えません。

というのは忙しい分、いかに効率よく、素早く、丁寧に作業をするか考えなければならないため自分のスキルアップにつながるからです。

仕事の手を抜くわけではなく「こっちのやり方の方が部品を早く交換できるんじゃないか?」など工夫し考えることで自分の技術力も磨かれます!

車検や点検、商品の販売ノルマがある

ディーラーは売上や車検の目標台数など、なにかと数字にはうるさいです。

会社の売上のためなので仕方ないことですが、毎月車検や点検、バッテリーやタイヤなどの販売ノルマがあるディーラーが多いです。

ノルマを達成しないとペナルティがあるわけではありませんが、インセンティブ(報奨金)をもらえないので、給料が増えません。

そのため、整備士でもお客さんに車検や点検の入庫誘致、タイヤやバッテリーなどの状態が悪ければ、積極的に販売していかなければなりません。

ただノルマをクリアすればインセンティブで給料も増えるディーラーが多いので、お金のためと思えば仕方のないことですね!

人事異動がある

社員数が多く複数店舗を持つ大手ディーラーは年に1〜2回、人事異動があります。

人事異動とは、会社の中で働く人が、別の仕事や店舗に移ることをいいます。

たとえばA店舗のスタッフがB店舗に配属されたり、逆にB店舗からA店舗へスタッフが異動してくる、といった状況です。

これは社員の育成や、適材適所への配置、職場の活性化を目的に行っているのでディーラーに勤めている以上避けられません。

この異動によって起こるデメリットは次の3つ

  1. 店舗のスタッフが変わるため、新しく人間関係を築かなくてはいけない
  2. 自分が他店舗へ異動になった場合、新しい環境に慣れる必要がある(職場の環境や通勤時間)
  3. 整備士から営業へ異動を命じられることもある

自分の店舗のスタッフが異動で変わった場合、良くも悪くも働く環境が大きく変わります。というのは、異動してきたスタッフとの相性があるからです。

特にディーラー整備士の場合、仲間とコミュニケーションを取り、協力しなければならない場面もあるため、人間関係は非常に重要です。

もし自分の性格とどうしても合わない人の場合、仕事をしづらく感じるかもしれません。

逆に今まで人間関係で悩んでいるときに、人事異動によって気の合うスタッフと巡り合うこともあるため、一概に人事異動が悪いとは言えません。

同様に、自分が他店舗へ異動になった場合、新しく配属される店舗の環境に慣れる必要があったり、人間関係も作り直さなければなりません。

自宅から新しい店舗の距離が長いと、通勤時間もかかってしまいます…

また、なかには整備士から営業職へ異動を命じられるディーラーもあります。

ただ現在は近年の整備士不足により、本人が希望しない限り、いきなり営業職への異動は少なくなっています。

ただ会社の状況にもよるので、もしディーラーへ就職や転職を考えている場合は、入社する前に営業などへの異動がないか?しっかり確認しましょう。

昔は「数年整備士をやったら、営業へ異動」という話はよくありました!

整備できる車種が限られる

良くも悪くもディーラーは、ほとんどそのメーカーの車しか入庫しないため、他メーカーの車を整備する機会は極端に少なくなります。

仮に整備できたとしても、車検や点検、オイル交換などの作業しかないため「もっといろんな車を整備できるようになりたい!」と思う方は、物足りなく感じるかもしれません。

私が過去、某ディーラーを辞めた理由も、整備できる車が限られるため「スキルアップに限界を感じた」からです。

基本的な車の構造は、どのメーカーも一緒なので他メーカーの車も対応できますが、乗用車やトラックなど幅広いメーカー車の整備をしたいのであれば、民間整備工場の方がより多く経験できます。

ただディーラーでしか得られない情報もあるので、そのメーカーの車に関してはかなり詳しくなります。

他ディーラーに転職したときも、以前勤めていたディーラーの車の整備についてよく聞かれ、役に立ちました!

まとめ

ディーラーで働くメリットは3つ

メリット
  • 年収が高い(民間整備工場に比べ)
  • 休日が多い(民間整備工場に比べ)
  • そのメーカーのプロになれる

逆にデメリットは5つ

デメリット
  • 忙しく時間に追われる
  • 車検や点検、商品の販売ノルマがある
  • 人事異動がある
  • 整備できる車種が限られる

ディーラーは忙しく時間に追われたり、ノルマの達成など大変なこともありますが、それに見合う給料や休日もあり、最新の車も整備できます。

特に今後は電子制御化が進み、ディーラーでしか修理できない整備も増えるので将来性もあります。

逆に最新の車に対応する設備のない工場は、縮小していくか、最悪倒産もしていきます。

参照:「自動車整備事業者」市場からの退場が過去最多ペース

「今の給料じゃ家族を養っていけない…」

「土日休みじゃなくてもいいから、もっと休みが欲しい」

「今の会社じゃ倒産しないか不安だから、安定した将来性のある会社に就職したい」

もし、あなたが自動車整備士の経験があり今の職場に不満があれば、一度ディーラーへ転職を検討することをオススメします。

ただし、転職を検討する前に1つ注意点があります。

結論からいうと、転職を考えたときは「転職エージェント」を活用しましょう。

いきなり転職サイトやハローワークで会社に応募したりしてはいけません。

ディーラーへ転職するなら転職エージェントを活用する

ディーラーは給料も高く、休日も多いため整備士として働くには安定した生活が送れますが、残念ながら全てのディーラーに当てはまるわけではありません。

給料も高く、しっかり休みも取れるディーラーもあれば、低賃金で休みも少なく残業ばかりのブラックなディーラーもあります。

つまり、どこのディーラーで働くかで給料や休日といった待遇が大きく変わります。

会社選びはとても重要です!

安易によく求人情報も調べずに、勢いでディーラーに転職すると「給料や休みも思ってたのと違う…」となりかねません。

求人情報に書いてたことと違うやん…なんてこともあります。

そこで!

ディーラーへ転職を考えたときは転職エージェントを活用しましょう。

転職エージェントとは「転職したい人」と「人材を探している企業」の間に立って、転職を支援してくれるサービスです。

もちろんディーラーだけでなく、希望を満たせる求人があれば紹介してくれます!

しかも、転職エージェントは求職者一人に対して担当が付き、色々なサポートをしてくれます。

たとえば

  • 給料の交渉
  • 面接日程の調整
  • 履歴書の作成

もし自分で転職サイトやハローワークで応募した場合、自分で履歴書の作成、給料の交渉までしなければなりません。

とくに「給料の交渉」については苦手にしている方もいるかと思います。

ですが、転職エージェントを活用すれば、これらを全てサポートしてくれます。

もちろん、企業と交渉する際も匿名でやり取りしてくれます。(年齢や資格といった最低限の情報は必要)

私も転職エージェントを通じて、希望する会社に給料の交渉までしてくれました!

しかも、転職エージェントは企業からお金をもらうので、転職希望者は無料で利用できます。

転職を失敗しないためにも転職エージェントを活用し、理想の転職を成功させましょう!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次